KPIとKSFとKGI小 規模ビジネスこそ「数字」で戦うべき理由

ビジネスアイデア

【1】現場でKPIが使われていない現実

パーソナルジムや飲食店など、来店型のビジネスにおいて、**KPI(重要業績評価指標)やKSF(重要成功要因)**をきちんと設定している店舗は、実はあまり多くありません。

それどころか、「肌感覚」や「神頼み」で日々を過ごしている店舗の方が大多数です。

これは単なる想像ではなく、全国に多くの契約先を持つWeb予約システム担当者からの話にもとづいています。つまり、現場の“リアルな声”です。


【2】DXが進まないのは、余裕がないから

DX(デジタル化)を進めたくても、金銭的にも時間的にもその余裕がない。
多くの店舗は、ほぼ毎日営業しながら、激務に追われているのが実情です。

  • 何を指標にすればいいのか分からない
  • 数字を扱う余裕がない
  • 計算も仕組み化もできていない

こうした状況では、戦略を立てるにも立てようがありません。


【3】SNSの“バズ”は再現できない

「SNSでバズれば売上が伸びる」という幻想を持つ人も多いですが、現実は違います。

  • 広告費を潤沢に使える
  • 魅力的な“人”がいる
  • 誰にも真似できないアイデアがある

こんな店舗でなければ、バズるのは至難の業。
多くの店舗は、試行錯誤しながら苦戦しているのが現実です。


【4】まずは“損益分岐点”を見極めよう

経営者として大切なのは、月次・年次で損益分岐点を超えること
それを実現するためには、「なんとなく」の目標ではなく、根拠のある目標設定が必要です。


【5】感覚ではなく、数字で売上目標を立てよう

よくあるのは、前年の売上から「なんとなく」目標を立てるケース。

  • 去年950万円だったから、今年は1000万円に
  • 平均して1日〇万円くらい…といった計算

これはすべて定性的な目標であり、根拠がないまま動いていることになります。


【6】家賃から逆算してKPIを設計する

おすすめの考え方のひとつが、**「家賃×10」**という目安。

たとえば家賃が月10万円の店舗なら、
月の売上目標は100万円に設定するというシンプルな方法です。

  • 家賃:10万円
  • 月次売上目標:100万円
  • 年間売上目標:1200万円

この計算は、飲食店で売上の約10%が家賃負担と想定されている理論にもとづいています。利益率を5〜8%にするための逆算です。


【7】「平坦な目標」ではなく、繁閑に合わせて調整を

実際の現場では、毎月100万円を一定で達成するのは非現実的です。

  • 春は新生活で忙しい
  • 夏は旅行や帰省で減る
  • 年末年始は特需がある

これら**“繁閑期”の傾向をもとに、月ごとの目標に強弱をつける**のが現実的です。

前年の売上データから、
「今月は例年90%だった」「12月は120%だった」などを掛け算し、
毎月の目標に差をつけることをおすすめします。


【8】次回は「日次KPI」や「人件費バランス」について

今回はあくまで「月次KPIの基本」でしたが、さらに実践的にするなら:

  • 日別KPI(曜日別来客数の傾向など)
  • 客単価 × 来客数からの売上設計
  • 人件費率とのバランス計算

などの視点も重要になってきます。

次回はこの辺りを、Excelやスプレッドシートを使った実例とともに紹介していきたいと思います。


🧩 おわりに

「感覚」で動く経営から、「数字」で組み立てる経営へ。
その第一歩が、KPIを持つことです。

難しいことはなく、家賃を軸に考えるだけでも“見える化”は始まります。
数字が味方になれば、未来の不安も“予測”できるようになります。


  1. Gerald1207
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